ロックダウン中の南ア、タバコ販売解禁を求めて50万人が署名 DVを人質に取るメッセージに違和感

レベル4ロックダウン中の南アフリカで、タバコ販売禁止問題がヒートアップしています。

タバコ販売解禁が一転リスト落ち 解禁を求めて50万人がオンラインで署名

まずは事の経緯を振り返ります。

4月23日、Ramaphosa大統領がロックダウンの段階的な解除方針を表明、この中で”would be permitted”という言葉を用いて5月1日からタバコ販売を解禁(酒販売の禁止は継続)する方針が示されました。

ナショナル・ロックダウンの3週間から5週間への延長でタバコの備蓄が尽きつつある愛煙家たちはほっと一息(遅い、という声もありつつ)。指折り数えカウントダウンを始めた訳です。

ところが、Dlamini-Zuma大臣による4月29日のレベル4ロックダウン規制内容の正式発表で、タバコ販売解禁はまさかのリスト落ち。Xデーまであと2日というタイミングでのちゃぶ台返しに愛煙家の怒りが爆発しました。

大臣は方針変更の理由を「医学的な知見に基づく判断」としつつ、「Ramaphosa演説でのタバコ販売解禁案に対して、2000人以上から反対のパブコメが寄せられた」と説明。

これを受けて「2000人のパブコメ? 上等、だったらこっちは20万人だ」とばかりにChange.orgで署名キャンペーンが発足し、闘いの火蓋が切って落とされました。キャンペーンLift the ban on cigarette sales in South Africaの署名人数は当初目標の20万人をあっというまに達成し、今では50万人を伺う勢いという状況です。

キャンペーンに賛同!
Lift the ban on cigarette sales in South Africa

DVを人質に取るキャンペーンメッセージには大きな違和感

2005 ciarette

タバコの是非について、ここで議論は行いません。

でもね。

この署名キャンペーンに数十万人が賛同って、南ア大丈夫か?と心配になります。

下記、Change.orgに掲載されたオリジナルの署名文に若干の日本語訳をつけたものです。

Original Petition

We were given 1 days notice of the banning of cigarette sales during the lockdown, which is really unfair and spiteful.

Withdrawel of nicotine has serious effects on a lot of people and is especially elevated because of the stress and fear happening in our country.

It causes, amongst others, depression and anxiety and because we are in lockdown, most people will lash out and maybe even hurt loved ones unintentionally.

ニコチン切れは鬱病や不安を引き起こす。やがて暴力へとつながり、ロックダウンという状況故に、意図せずに愛する人を傷つけることになるかもしれない。

Uplifting the ban would, amongst other things save jobs, bring more money into the state coffers, stimulate the economy, and decrease the psychological impact on us South Africans of the lockdown period.

Please dont turn us into criminals, Mr President.

大統領、我々は犯罪者になりたくない。

The measure of a man is what he does with power.

出典:Lift the ban on cigarette sales in South Africa

ドメスティック・バイオレンス(DV)を引き合いに出して要求を勝ち取ろうという戦略は、学校を人質に取って行政サービス向上を訴える手法と構造的には同一で、不快です。

アイキャッチのために極端なたとえ話を持ち出したのだと信じたいですが、もしも大多数の署名者がタバコなしではDVに走ってしまう程の深刻な依存症なのだとしたら、南アは可及的速やかにタバコ依存症治療プログラムを導入した方がいいでしょうね。

5月4日、Ramaphosa大統領は「タバコ販売解禁の撤回は総合的な見地に立っての判断だ」として国民に理解を求める声明を発表しました。しかしタバコ販売解禁の気配はなく、しばらくは火種がくすぶり続けそうです。

CYRIL RAMAPHOSA: Why we reconsidered tobacco sales
"The public statements by both myself and the Minister were done on behalf of, and mandated by, the collective I lead."

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