南アフリカのGauteng州のMakhura州知事は5月14日、同州に新型コロナの第3波が襲来したと正式にアナウンスしました。同州での新規感染者数が漸増傾向にある中で、過去2日間の新規感染者数が1000件を上回ったことでこの発言に至りました。
Gauteng州には、南アフリカ最大の経済都市ヨハネスブルグ、首都プレトリア、さらには最大のタウンシップ(旧黒人居住区)ソウェトなどが含まれます。
Makhura州知事は第3波への対策について、「経済的な悪影響が大きすぎる」として州独自のロックダウンの可能性を否定しました。一方で、各種規制の厳格化に取り組む姿勢を示しています。
“Having seen over 1000 cases a day we cannot afford to close down the provinces economy but definitely we want to see an increase in restrictions,” said Makhura.
※画像はIol記事のスクリーンショット
学校の課外活動が一時停止 PTA会合もオンラインへ
この発表を受けて子どもが通う学校では、スポーツや芸術などの課外活動が一時差し止められました。
実は、州知事の発表以前から子どもの学校では新型コロナウイルスへの感染事案が徐々に増加していました。20数人のクラス内だけで2人の子どもに濃厚接触の疑い(1人は親が新型コロナに感染、もう1人は感染者との濃厚接触の)があり、ソーシャル・ディスタンシングや手洗い・消毒の励行といった基本動作の周知が改めて呼びかけられたところでした。
そんな中での州知事による「第3波襲来」発表を受けて、教育行政当局からの指導に先んじて課外活動を差し止めたものです。
今週予定されていたPTA会合も対面のミーティングからZoomミーティングへと移行。ミーティングに先駆けてWhatsAppグループでは、授業のオンライン化やクラス分割の是非が活発に議論されています。私立学校とは違って、富裕層からメイドの子どもまで経済的背景が多様なだけに、コンセンサスを得るのがなかなかむずかしいところ……。
南アフリカ全体にもまもなく波及か?
南アフリカ全体に目を向けると、国としての第3波宣言はまだ行われていません。
しかしMkhize保健大臣が13日に、過去24時間以内の新規感染者数が3221件(検査数4万2073件、陽性率7.65%)だったと発表。3000件超という数字は3ヵ月以上前、2月10日の3159件以来の高水準でした。
また、世界での感染拡大の主要因である変異株に関しても、National Institute for Communicable Diseased(NICD)より英国変異株(B.1.1.7)11件(うち西ケープ州8件、KZN州2件、ハウテン州2件)および、インド変異株(B.617.2)4件(うちKZN州2件、ハウテン州2件)の南ア国内での確認が公表されており、波は確実に押し寄せていることが感じられます。
ワクチン接種開始も、集団免疫獲得への道のりはまだ遠く
17日に60歳以上の高齢者に対するワクチン接種が始まったものの、度重なる開始の遅れもあって、集団免疫獲得への目標時間軸は年度末へと後ろ倒しされました。
言うまでもなく、高齢者や基礎疾患保有者に該当しない外国人である僕の順番は列の最後尾。
「公共の場でのマスク着用」「ソーシャル・ディスタンシング」「手指の消毒」という三種の神器を武器に、冬を耐え忍ぶことになりそうです。
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