南アフリカ、酒販売を再び禁止 ミニバスは規制緩和 揺らぐ政府への信頼、人々のモラル

凍てつく土曜日の朝。

Breaking: Curfew, booze-sale curbs’: What to expect from Ramaphosa’s address

との通知で目が冷めました。

'Curfew, booze-sale curbs': What to expect from Ramaphosa's address
A reintroduction of the night-time curfew, tightening regulations on the sale of alcohol, limiting movement between provinces and enforcing a limited load in mi...

そうか、これはロックダウンの内容見直しだな……。

7月12日(土)の夜、Ramaphosa大統領は南ア国民に向けて演説を実施。レベル3ロックダウンについて、一部制限の復活そして緩和を発表しました。

南ア国内での生活に関するもので、産業への新たな規制や国境開放等はこれまでと変更ありません。

  • ・酒の販売を直ちに禁止
  • ・Public spaceでのマスク着用義務を厳格化し、店舗経営者や責任者への罰則を導入
  • ・夜間および早朝(21時〜翌4時)までの外出禁止を再開
  • ・ミニバスタクシーの乗車人数制限を緩和。近距離はマスク着用と窓の開放を条件に定員100%での運行が可能に
  • ・運動を目的とする公園の利用を解禁(ピクニックはダメ)
  • ・タバコ販売禁止は継続

出典:Alert level 3 lockdown regulations, as amended on 12 Jul 2020

6月1日(月)の酒販売解禁以降、外傷の件数がロックダウン前の水準に戻り病院のベッドを圧迫しているという状況を考えると、再度の販売禁止はやむなし。1週間ほど前から噂もあったし、今回は備蓄十分の人が多いのではないでしょうか(と思ったら意外とそうでもないみたいで、ソーシャルメディア上では恨み節が多数)。

一方で、タウンシップで感染拡大という状況下で「3密」のお手本とも言えるミニバスタクシーの乗車人数制限を緩めるというのは、どうしてこうなったのか……。補助金や乗車人数制限等を巡って強硬にな抗議行動を行ったミニバス業界の「ゴネ得」という結果になりました。

Minibus drivers strike over coronavirus funding
Taxis block busy roads, confront police and soldiers.

なお今回の見直しでは、感染症の専門家らの制限を求める声に反して、新型コロナ感染拡大のホットスポットと化している教会や葬式への言及は残念ながら見られませんでした。

新型コロナウイルスが人を媒介して感染する以上、我々1人1人が感染拡大防止を意識しない限り収束には至りません。故に、少し窮屈でも社会活動に対する制限を受け入れて、ソーシャル・ディスタンシングを行おうとする訳です。

しかし、もし要求される制限が感染予防拡大に真正面から向き合うものでないとしたら、やがて誰も政府の声に耳を傾けなくなるでしょう。「教会、葬式、ミニバス業界の優遇は、ANC支持基盤への便宜そのものじゃないか」との声が聞こえてきます。

ロックダウン遵守で経済的な困難に直面する人が増える中で、モラルまで失われたら一体どうなってしまうのか。少しずつ、物事がよからぬ方向に進んでいるような気がします。

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