日本メーカーの洗濯機を途上国で見かけない理由

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友達が新しい洗濯機を買ったそうです。

なんでも育児休暇を取った奥さんが職場復帰するにあたって、家事の効率化を検討したところ「乾燥機付きの洗濯機を買えばいいじゃない。布おむつの乾きを心配しなくてもよくなるし」という結論になったんだそうです。お金で解決できることは、無理のない範囲でお金で解決というアプローチですね。

僕はこの話を聞いた時に、「ああ、日本の洗濯機を海外で見かけない理由はこれだったのか」と思いました。「お金で解決」のアプローチ方法が日本と海外では全く異なるのです。

というのはもしもこの友達夫婦が南アフリカ在住の南アフリカ人だった場合、家事の負担を減らすために家事全般を担うドメスティック・ワーカーとナニー(ベビーシッター)のどちらか、あるいは両方を雇うはずだからです。これが、南アフリカやその他多くの国でいう「お金で解決」のアプローチです。

日本でもメイドサービスは使われ始めているみたいですが、まだまだ海外のように一般的ではありません。そのため、今回僕の友達が買った洗濯機のように、タイマー機能や乾燥機能、除菌機能……など、できるだけたくさん機能を付けて、家事の負担軽減に貢献できるのがいい商品なのでしょう。

ところが「お金で解決」のアプローチが、自分で洗濯をするのではなく、誰かにやってもらうことを意味する場合、購入者にとって高機能は大きな付加価値とはなりません。1日2000円にも満たないお給料で働くメイドさんがすべてお世話してくれる訳ですから、機能は限定的でも安くてそれなりに動くものの方がいいはずです。

実際に南アフリカで家電のディスカウントショップに行くと、10万円近くする洗濯機は隅っこの方に少し置かれているだけで、3万円〜6万円台が多く取り扱われています。我が家で使っているのも、3万円弱購入した容量13kgのサムスン製です。タイマーがあればなぁ……とたまに思いますが、車庫入れで外装がベコっと曲がったのに、実によく働いてくれています。

日本メーカーは洗濯機に関する知見を相当持っているはずです。機能をそぎ落として、「少ない水と洗剤でよく洗えて」「壊れにくい」洗濯機を市場に投入したら結構売れると思うのですが、いかがでしょうか。

photo credit: Chris Smith/Out of Chicago via photopin

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