橘玲さんの記事「ヨハネスブルグは”未来社会”」に対して在住者として思うこと

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ヨハネスブルグは“未来社会”という記事が話題になっています。

これは「ゴミ投資家のための人生設計入門 」や「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」の著者である橘玲さんが、昨年末にヨハネスブルグを訪問した感想をまとめたもの。刺激的なタイトルに惹かれて期待して読みました。ところが残念なことに、せっかく訪問したにも関わらずヨハネスブルグに対する偏見が散見され、記述には事実と異なる点も少なくありません。

ヨハネスブルグへのさらなる誤解が広がることは在住者として忍びなく、何が間違っているのかをコメントしたいと思います。

なお、記事の全文は下記リンクから読むことができます。

●ヨハネスブルグは”未来社会”
http://www.tachibana-akira.com/2015/01/6695

ヨハネスブルグで宿泊できるホテルは、実質的にはサントンとローズバンクという郊外の高級住宅地にしかありません。

これは事実と異なりますね。サントンはそもそも高級住宅地ではなく、日系企業も事務所を構える商業の中心地です。また、サントンとローズバンク以外にも宿泊できるホテルは多数存在します。

都心(ダウンタウン)に行くときは市内観光ツアーに参加します。

ダウンタウンを「都心」と表現すると、あたかも現在のヨハネスブルグの中心地がダウンタウンであるかのような印象を与えてミスリードかと思います。かつてダウンタウンは商業の中心地でしたが、治安の悪化に伴い多くの企業はサントン地区等ヨハネスブルグ北部へと移転しています。現在のヨハネスブルグでいわゆる「都心」はサントン地区であり、ダウンタウンとは分けて論じられるべきでしょう。

ヨハネスブルグは、「1%金持ちと99%の極貧層」という究極の格差社会になってしまったのです。

ヨハネスブルグに限らず、南アフリカは格差社会です。しかし、実感として「1%金持ちと99%の極貧層」というのはちょっと極端でウケを狙った書き方としか思えません。また、中間層が拡大している故に、南アフリカがマーケットとして注目されているという事実もありますので、中間層が存在しないかのような書き方は問題かと思います。

南アフリカは「小さな政府」のネオリベ国家でもあります。あまりにも貧富の差が拡大してしまったので、いまさら社会福祉を充実させようがないからです。

これもどうなんでしょうか。南アフリカ共和国政府は大規模な現金給付プログラムを行っています。また、公的医療も実質的に無料です。少なくとも、この点についての考察がなされるべきです。

(参考)南アフリカとナミビアにおける現金給付プログラム/牧野久美子(アジア経済研究所)
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/Report/2012/pdf/C14_ch06.pdf

橘氏は記事の中で次のように書いています。

空港で客待ちしているタクシーも危険とされているので、あらかじめ送迎を手配しておきます。東京に例えるなら、羽田空港に着いたら迎えの車で田園調布か自由が丘に行き、都心にはいっさい近づけないという異常な状況です。

これは、橘氏による「ヨハネスブルグ論」はちょっと外から眺めてみた経験を元に書かれた見ものだと語っているようなものです。「何かを語りたければ全てを理解してからにしろ」とは考えませんが、物書きをなさっている方ですからもう少し丁寧に事実を確認した上で記事を書いていただきだいものです。

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