アパルトヘイト下に都市で働く労働者のために都市近郊に造られた居住区タウンシップの中で、ヨハネスブルグ郊外に設けられたソウェト(Soweto)は最大級のものの1つです。この街を自分の足でしっかり見て回ろう!ということで、Soweto Bicycle Tourに参加しています。
ソウェトの人たちの生活をかいま見て、ネルソン・マンデラ元大統領の旧宅にも立ち寄って、もうすぐ2時間だからこれで終了か……と思っていたら、意外な展開が待っていました。
闇酒場で地元の人たちと語らう
ツアーの最後を締めくくるのは、シェビーン呼ばれる闇酒場(アパルトヘイト当時。現在はもちろん合法的に営業)の訪問です。
アパルトヘイト下ではタウンシップでのビジネスは厳しく制限されていましたので、普通の住宅に偽装した闇酒場が存在したんですね。また、現在村やタウンシップに存在するスパザショップもアパルトヘイト下での闇商店にそのルーツを持ちます。
ちなみに、南アフリカビール博物館には当時の闇酒場が再現されています。興味のある人はこちらの記事をどうぞ。
●ビール好き必見! 南アフリカのビールがまるごとわかる「ビール博物館」にいってみた
https://cacia.net/south-african-breweries-world-of-beer.html
さて、立ち寄ったこの酒場では一般に売られている南アフリカビールに加えて、ンコンボティも売られています。ンコンボティとは、ソルガムなどの雑穀を原料にした南アフリカの伝統的なビール。結婚式や葬式などの冠婚葬祭時などには欠かせないものです。せっかくなので、ぜひ挑戦してみましょう。
伝統に習って男性、女性という順番に素焼きの器を回し飲みします。顔が隠れてしまうほどの大きな壺から、豪快にいただきます!
酒場のお客さんがギター弾き語りでMbubeを熱唱!
で、ここからです、予想外の展開が待っていたのは。
この酒場は合法的に営業しているので、もちろん普通に飲みに来ている人たちもたくさんいます。僕たちが到着したのは17時近くということで、割と出来上がっているおじさま方がいらっしゃった訳ですね。
ンコンボティの飲み方を見せてやる!から始まって、僕たちがリンポポ州に縁があって、子どもがベンダ(南アフリカの民族の1つ)の名前を持っていると知ったらこれにおじさんが大喜び!
「よし、俺が歌を歌ってやろう」ということで、ギター片手に即興のライブが始まったのでした。曲目はまず、Mbubeなど南アフリカの曲を数曲。そして締めくくりに、ボブ・マーリーのNo Woman, No Cryでした。
あれ、外を見ると薄暗くなってきている……?
「ここでの滞在時間は8〜10分ね」と言われたはずが、結局45分くらいは滞在していたんじゃないでしょうか。慌てておじさんたちにお礼を言ってシェビーンを出発、辺りが闇に包まれる前に無事、ホステルにたどり着いたのでした。
ソウェト自転車ツアー、とてもおすすめです!
ふー、楽しかった! 心地よい疲れが体に残っています。
友達の家に遊びに行ったり、日本から来る友達を車で案内したりと年に何回かは足を運んでいるソウェトも、自転車で走るのは初めて。目線が低くなるせいか、普段と景色が違ってとても新鮮でした。
ガイドさん自身はソウェト蜂起にも参加していたという生粋の地元っ子。「単純なお金儲けだけではなく、ソウェトや南アフリカのことをもっと知ってほしい」という思いからこのツアーを始めたそうで、どんな質問にも快く答えてくれます。
ということで、全3編でSoweto Bicycle Tourの様子をお届けしました。とても楽しく&勉強になるツアーなので、ヨハネスブルグで時間がある人はぜひ参加してみてください!
ツアーの情報
●名称
Soweto Bicycle Tour
●住所
10823A Pooe Street, Orlando West, Soweto, 1804, South Africa
●電話
011-936-3444
●ホームページ
※この記事は「地球の歩き方特派員ブログ」に投稿したものです。
http://tokuhain.arukikata.co.jp/johannesburg/
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