南半球に位置しているため南アフリカは、日本とは反対に夏真っ盛り。そんなヨハネスブルグにも、クリスマスがやってきます。
クリスマス営業はヨハネスブルグの非常識?
この時期にヨハネスブルグで気をつけたいのは「クリスマス難民」になってしまわないようにすることです。というのも、ヨハネスブルグではクリスマスを前にほとんどのレストランが年末年始のお休みに入ってしまうからです。
例えば、南アフリカの地ビールが樽から飲める大人気のガストロ・パブThe Griffinは、12月21日が年内最終営業日とクリスマスを華麗にスルー。
また、ベイクドチーズケーキが絶品のSalvationcafeは、なんと12月19日から1月10日まで約3週間もの年末年休暇を取るそうです。
クリスマスなのにレストランが閉まる2つの事情
日本ではあらゆるレストランがクリスマスを重視するのに、なぜヨハネスブルグでは反対にお店を閉めてしまうのでしょうか? これには、南アフリカ人のクリスマス観とヨハネスブルグという街の成り立ちという、2つの事情が関係しているようです。
12月上旬まではにぎやかなヨハネスブルグ 屋外マーケットもクリスマス仕様に
そもそも、南アフリカ人にとってクリスマスは一大イベントです。ショッピングモールは遅くても9月にはクリスマス関連商品が並びますし、誰もが1年に1度のこの日を楽しみに待っています。
ある日系組織が「年末年始休暇を日本と同じにしてはどうか」と検討したことがありました。すると、その組織で働く友人は「そんなことになったら私は辞めるわ」と一言。クリスマスがこんなに大切なのか!と思いました。
家庭でのクリスマスディナー テーブルセッティングにもこだわりが
また、南アフリカ人はクリスマスに家族とゆっくり過ごすことを大切にしますので、レストランへの需要は高くなるどころか、むしろ低くなるようです。一方でショッピングモールやお肉屋さんなどは家庭でのクリスマスを楽しむために必要だからか、クリスマス前でも意外と通常通り営業しています。
次に関係するのは、ヨハネスブルグという街の成り立ちです。南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグには、国内外のさまざまな場所から職を求めて多くの人たちがやってきています。出稼ぎ労働者など、単身赴任の人も少なくありません。
普段は家族と離れて暮らす人たちにとって、クリスマスと年末年始は家族との時間をゆっくり持てる大切な時です。そこで、こうした人たちは休暇が始まるとすぐに実家に帰ってしまいます。
需要も人も少ない場所で商売をしても、なかなかうまくいかないのは当然のこと。こんな事情から、ヨハネスブルグではクリスマスなのにレストランが閉まってしまうのです。
ヨハネスブルグ在住者は旅に出る
ケープタウンのパブ 国内外からの旅行者で大混雑!
ではヨハネスブルグに住んでいる人たちはクリスマスをどうやって過ごすでしょうか。周りに聞いてみると、どうやら家族旅行に出かける人たちが多いみたいです。
行き先は国内のビーチリゾートが多いようですが、中には国境を越えてモザンビークやナミビアなどに足を伸ばす人もいます。南アフリカでは、12月中旬からクリスマス休暇に入る企業も珍しくはありません。たとえ遠くに出かけても滞在期間が長いので、ゆっくりくつろげるという訳です。
さて僕はどうするのかと言うと、友達の実家に招いていただいたので、今年のクリスマスは家族揃ってケープタウンで過ごす予定です。
それでは、みなさんもよいクリスマスを!
※この記事は「地球の歩き方特派員ブログ」に投稿したものです。
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