よく冷えた白ワインと生牡蠣。最高の組み合わせですね。
ところで牡蠣と言えば、「あたる」食材の代名詞です。一方でアフリカには「未開の地」「不衛生」というイメージがつきまといます。そのため、アフリカで生牡蠣と言うと「危ないんじゃないの……」という反応をされることがしばしばです。
でも、これは大きな誤解です! アフリカの牡蠣は美味しいんですよ。特に、地元で捕れた鮮度抜群の牡蠣は身もぷりっとしていて最高です。
ということで、アフリカで生牡蠣を食べ続けて3年の僕が、南アフリカ、ナミビア、おまけでモザンビークの生牡蠣事情を紹介したいと思います。
南アフリカの牡蠣事情
南アフリカで牡蠣と言えば、何といってもナイズナ(Knysna)が有名です。毎年7月に開催されるオイスターフェスティバルには国中の牡蠣好きが集まり、10日間でなんと20万個の牡蠣が消費されています。20万個ですよ……!
ナイズナのレストランで食べた生牡蠣
去年、日本から遊びに来た父親と友人を連れてナイズナを訪問したのはちょうどこのお祭りの開催直後。天然物を楽しみにしていたのですが、店員さんが「天然物は全部食べちゃったわよ」と一言。これには笑うしかありませんでした。
ナイズナという一大産地を国内に抱えるだけあって、南アフリカではそれなりのシーフードレストランでは生牡蠣がメニューに載っていますし、魚屋さんや富裕層向けのスーパーマーケットに行けば生牡蠣を買うことができます。
ちなみにヨハネスブルグ(Johannesburg)だとダンケルド(Dunkeld)地区のFisherman’s Deliという魚屋さんが毎週水曜日と金曜日に牡蠣(とムール貝)を入荷するので、ヨハネスブルグ滞在中にはよくお世話になっています。
ナミビアの牡蠣事情
ナミビアでも牡蠣の養殖が盛んに行われています。1980年代にスワコプムント(Swakopmund)で始まった牡蠣の養殖は間もなく養殖は隣のウォルビスベイ(Walvis Bay)やリューデリッツ(Luderitz)に広がり、今ではオラニェムント(Oranjemund)でも牡蠣が育てられています。
スワコプムントのレストランで食べた生牡蠣
こちらでは2種類の牡蠣が育てられています。まず1つ目は広島県、宮城県、岡山県などが有名な日本でもおなじみのマガキで、もう1つはフランス牡蠣とも呼ばれるヨーロッパヒラガキです。日本とフランス両方の牡蠣が一度に楽しめるなんて、ちょっとお得な気がします。
ナミビアでは養殖を始めた当初はチリから稚貝を輸入していたそうですが、今では水族館の温水設備を使うことで純粋なメイド・イン・ナミビアの牡蠣を育てられるようになったんだそう。
去年の年末はスワコプムントで牡蠣三昧の日々を送りましたが、きっとあの時食べた牡蠣もナミビア産だったのでしょう。
●灯台の下で味わうシーフード/ナミビア・スワコップムント情報
●地元の人にも、観光客にも愛されるレストラン/ナミビア・スワコプムント情報
モザンビークの牡蠣事情
そういえば、モザンビークのビーチでも行商に来た漁師さんから直接購入して生牡蠣を食べました。
●アフリカの漁師から直接魚を買ってみた/モザンビーク・トフォ情報
牡蠣の漁獲量・生産量ランキングに名を連ねる南アフリカやナミビアとは事情が違って、たぶん養殖は行っていないはずです。となると、食べたのはきっと天然物。大ぶりでしっかりとした味だったことを覚えています。
先入観を捨ててアフリカで牡蠣を食べよう!
南部アフリカで海に面した3ヵ国はどこでも牡蠣が食べられる……そう、実は南部アフリカは牡蠣の一大産地だったのです! 先入観を捨てて、美味しい南アフリカワインとともに口に運べば旅の思い出がまた1つ増えるはずです。
●世界の牡蠣の漁獲量・生産量 国別ランキング(単位:トン)
1 中国 3,948,817
2 韓国 303,280
3 アメリカ 237,316
4 日本 161,116
5 フランス 83,165 1
6 メキシコ 51,990
7 台湾 26,923
8 タイ 26,508
9 フィリピン 20,764
10 オーストラリア 15,745
11 カナダ 12,987
12 アイルランド 7,560
13 インド 4,202
14 ブラジル 3,990
15 オランダ 2,540
16 キューバ 1,583
17 スペイン 1,361
18 ニュージーランド 1,326
19 イギリス 1,321
20 ポルトガル 819
21 チャンネル諸島 775
22 マレーシア 696
23 香港 488
24 インドネシア 383
25 セネガル 361
26 ナミビア 329 1
27 デンマーク 296
28 南アフリカ 261
29 モロッコ 244
30 チリ 205
出典:カキ(牡蠣)の漁獲量・生産量 国別ランキング統計・推移/GLOBAL NOTE
※この記事は「地球の歩き方特派員ブログ」に投稿したものです。
http://tokuhain.arukikata.co.jp/johannesburg/
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