すでに知っている人も多いと思いますが、重要な情報なので念のため記事にしておきますね。
チャイルドシートが義務化 違反者には罰金も
南アフリカ政府は、2015年5月1日から3歳未満の幼児に対して車に乗車する際のチャイルドシート着用を義務化すると発表しました。違反者には500ランドを上限とした罰金が課されます。
なお、乗り合いタクシー(ミニバス)やバスなど、乗客にシートベルト着用の義務が課されていない車両については、この規定の対象外です。
(参考)Statement by Departmemt of Transport on the National Road Traffic Regulations, 2000 (Gazette Number 38142): Introduction of Child Restraint Regulations
レンタカーも対象です 旅行で訪れる方はお気をつけて!
ちなみに、レンタカーで乗用車を借りた場合はどうなるのでしょうか。レンタカーであろうと乗用車は乗用車ですので、当然この新ルールの対象となります。
ということは、例えば南アに家族で訪れて自分でレンタカーを運転するような場合は、予約時にチャイルドシートのオプションに申し込む必要があるということです。
南アフリカのレンタカー会社では一般的に、一日単位でチャイルドシートの料金がチャージされます。そのため、滞在日程が長い場合には金額を見て一瞬ひるむかもしれません。
でも子どもを危険から守るのは親の責任です。ルールの遵守、そして何より子どもの安全確保のために必要な投資と割り切って、確実にチャイルドシートを確保してください。
……と、ここまでが重要な話です。以下、時間のある方だけお付き合いください。
新交通ルールでチャイルドシートは普及するか
チャイルドシートの仕様が義務化されたことは、言うまでもなくいいことです。でも大切なことは、この新ルールがきちんと守られるかどうかだと思います。
とはいえぶっちゃけた話をすると、チャイルドシートが定着するまでには長ーーい年月がかかると予想します。
例えば、僕の子ども(1歳7ヵ月)が通っている保育園の送り迎え風景を思い浮かべてみます。40人近くの園児がいる中で、チャイルドシートを使っている親は片手で数えられるほど。後部座席に座っていればまだいい方で、助手席で子どもが立ち上がっているのは日常の風景です。
これに加えてシートベルト未着用で運転している人も珍しくないなど、独特の安全基準で生きている親がずいぶん多いようです。
また、とある用事で村在住の女性を連れて東ケープ(Eastern Cape)州に行った時に「移動中は子ども(1歳)をチャイルドシートに入れてね」とお願いしたところ、女性は「これは私たちの文化じゃないから」と正面から拒否。最終的にはしぶしぶ納得していましたが、こんな風に「自分には関係ない」と思っている人は結構多いんじゃないかと思います。
こんな人たちが突然チャイルドシートを導入するかどうか……相当厳しく罰金を徴収しない限り、まー無理でしょうね。残念ですが。
南ア市民の反応はさまざま
自分の感覚はともかく、南ア市民がどう感じているのかが気になってニュースサイトへのコメントを見てみたら、新ルールを歓迎するコメントが意外と多くありました。
・歓迎。子どもを大切に思うなら、チャイルドシートの着用は親として当然の行為だろ。
・罰金500ランド? 安すぎるよ。5000ランドくらいに設定すべきだと思う。
・いい事だよ。車の助手席で立ち上がっている子どもを見かけるたびに、心配になっていたんだ。
一方で新ルールに対して否定的、あるいは懐疑的なコメントも多く、インターネット上での評判は半々くらいかなという印象です。
・まー守られないだろうね。運転中の携帯電話での通話やSMS、飲酒運転、信号無視は全部違反だけど、何一つ取り締まられちゃいない。
・安くても1000ランドはするチャイルドシートを全員に義務付けるなんて、ひどいルールだよ。(←車を買うお金があるなら、1000ランド払えるだろ、と別の読者からツッコミが)
・乗り合いタクシーの安全性を向上したり、ピックアップトラックの荷台に乗車することを規制するルールを作らない限り、交通事故死は減らないよ。
来週、久しぶりに子どもが保育園に復帰する予定です。同級生の親たちはどう対応することにしたのか……さっそくチェックしてみたいと思います。
Photo Credit: subewl via Compfight cc
※この記事は「地球の歩き方特派員ブログ」に投稿したものです。
http://tokuhain.arukikata.co.jp/johannesburg/
コメント