地図やガイドブックを信じてはいけない 南アフリカの道に潜むワナ

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旅先で迷子になったこと経験がある人、いませんか? 僕は昔インドに行った時に、電車の中ですっかり寝過ごしてしまい、気づいたら全然知らない街に着いてしまったということがあります。

その時は親切な人たちに助けてもらって次の電車に乗車、暗くなる前に無事目的地にたどり着くことができたのですが、これは日中に治安が悪くない田舎町でいい人たちに恵まれた、まあ運がよかったということです。

では、もしも南アフリカの路上で道に迷ってしまったらどうなるでしょうか。例えば、ヨハネスブルグの長距離バスやタクシー(ミニバス)の発着場、パークステーション(Park Station)周辺で道に迷って立ち往生してしまったら、ちょっと大変なことになるかもしれません。

道の名前が間違っている? 南アフリカの地図やガイドブックに潜む罠

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路上で立ち往生しないために、南アフリカを歩く上で必ず気をつけたいことがあります。それは、道の名前です。南アフリカでは、地図やガイドブックに掲載されている道の名前と実際の名前が全然違う!という状況に出くわすことがあるのです。

例えば、地球の歩き方最新版のマカド(Makhado)のページを読むと、トリハート通り(Trichardt St.)が 中心的な道の1つとして紹介されています。でも実はトリハート通りは、今のマカドには存在しません。道そのものがなくなった訳ではないのですが、ソンゴジ通り(Songozwi St.)という名前に変わっています。

マカドに来る人はあまりいないのでこれ自体は特に問題はないと思いますが、実は南アフリカ全土でこのようなことが起こっていて、道の名前を頼りに目的地を探すのに思いのほか苦労することがあります。僕もこの前プレトリア(Pretoria)に行った時に地図に書かれている名前が見つからず、なんだか大変な思いをしました……。

ということで、南アフリカで初めての場所に行く時には、ゲストハウスの人に聞くなどして、道の名前を確認しつつ、それ以外の目印も聞いておくことをオススメします。

なぜ道の名前が変わるのか 南アフリカの歴史が関係

ところで、なぜこんなことが起こるのでしょうか。これにはアパルトヘイトが関係しています。

アパルトヘイト時代、南アフリカの道の多くには、白人の名前がついていました。アパルトヘイト撤廃以降、当然のことですが、これには変化が訪れます。国民党(National Party)に代わって政権与党となったアフリカ民族会議(African National Congress。略称ANC)は、アパルトヘイト政権を思い出させるこれら白人に由来する名前を次々と変えはじめました。そしてこの動きがアパルトヘイト撤廃から20年近くが経過した今でもなお続いており、地図やガイドブックの更新が追いつかないという自体が生じているという訳です。

ちなみに「名前を変えることはいいけれど、白人から黒人の名前に変えるのはちょっと微妙」と南ア人(黒人)の友人も言うように、この変更には問題もあって、実際に名前をめぐる争いも起きています。これは道ではなく街の名前の例ですが、僕が住む街マカドでは、名前の変更をめぐって以前の名前ルイ・トリハート(Louis Trichardt)を守りたい白人が裁判を起こすなど、なかなか一筋縄ではいかないようです。

参考情報

ちなみに、南アフリカの治安については過去に記事を書きましたので、ぜひ参考にしてください。

旅行者のための南アフリカ治安情報(2013年6月版)という記事で、2012年に日本人旅行者が巻き込まれた犯罪10件と、犯罪を避けるために気をつけるべきポイントについてまとめています。

※この記事は「地球の歩き方特派員ブログ」に投稿したものです。

ヨハネスブルグ観光ガイド

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